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文部科学大臣賞

木のこころと自然の声

愛媛県 今治市立南中学校 3年 前田 佳汰


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 佳汰さんは、法隆寺の復元に携わった宮大工の棟梁・西岡常一さんの『木に学べ』を手がかりに、「木」と「建築」の魅力、そして西岡さんの執念に心を動かされた体験を自分の言葉で掘り下げました。書籍という情報から得た知識に佳汰さん独自の感性が重なって、描写が生き生きと立ち上がっている点が本作の大きな魅力です。とりわけ「静かで澄んだ空気」「小雨にけぶる寺院」「きれいに掃き清められた庭」といった言葉が、手触り(澄んだ空気の感触)、温度(森のひんやりした冷たさ)、匂い(ひのきの香り)など、読み手の五感をくすぐらせます。読んでいると、まるで森の中から建築を見上げているかのような没入感がありました。読書感想文は解説的になりやすい傾向がありますが、佳汰さん自身が五感で感じたことが、丁寧に表現されているからでしょう。
 終盤で、西岡さんの棟梁としての「木の癖を見抜き、生かす」という思想から「社会での人の関わり方」へ視線を広げる展開も見事です。「木の癖が組み合わさって強く美しい塔をつくるように、自分も社会の一部として力を尽くしたい」という結びからは、この読書体験が、佳汰さん自身の生き方や社会へのかかわり方を大きく変えたことが伝わります。これからも様々な建築や芸術に触れ、目と手と鼻で確かめたことを、自分の言葉で丁寧に組み上げていってください。(『木に学べ』西岡常一 著 小学館)

フック船長

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